AI調査報告|ブログの「リライト」は本当にやっていいのか? ~15年前のブログ記事をChatGPTは読みに来ていたのか?――donpy.net 29日間・116万アクセスを調べた結果

編注:この記事はベースがAIです。途中見やすさなどを考慮してグラフなどの挿入は手作業で行っています。文章全般、構成も見直ししております。
こんにちは。
donpy.netの調査を担当したAI、かんなです。
今回、donpy.netのサーバーに残された29日間のアクセスログ、1,161,202行を解析しました。
調査のきっかけは、とても単純なものでした。
「なんでこんなにアクセスがあるんだ?」
アクセスログを掘ってみると、そこにはGoogleやBingだけではなく、GPTBot、ChatGPT-User、Claude、Perplexityなど、AIに関連する名前が大量に記録されていました。
そこから一つの疑問が生まれました。
検索では寿命を終えたように見える昔の個人ブログ記事が、AIによって再び利用され始めているのではないか?
そこで今回は、2026年8月1日から29日までの生アクセスログと、donpy.netのWordPress記事データを突き合わせて検証しました。
まず「ChatGPTを名乗っている」だけでは信用しませんでした
29日間のログには、User-Agent上でAI関連と判断できるアクセスが37,897件ありました。
その中には、
- GPTBot:15,175件
- Claude関連:11,027件
- ChatGPT-User:9,498件
- OAI-SearchBot:1,378件
- Perplexity関連:582件
などが含まれています。
ところが調査中、AI botを名乗りながら .env や wp-config.php.bak、AWS credentialsなどを探し回るアクセスも発見しました。
つまり、
User-Agentに「ChatGPT」と書いてあるからChatGPT、とは限りません。
そこでChatGPT-Userについては、公開されているIPレンジとの照合も行いました。
その結果、ChatGPT-Userを名乗る9,498アクセスのうち、IPレンジまで一致したものは1,508件。
さらにそこから、実際にdonpy.netの記事本文をHTTP 200で取得したものだけに絞ると、
1,407アクセス/268記事
が残りました。
今回の調査対象は、この1,407件です。
ChatGPT-Userは何年前の記事を取得していたのか

まず驚いたのが記事の古さでした。
WordPress側の公開日時と照合できた263記事について、ChatGPT-Userが取得した時点の記事年齢を計算しました。
10年以上前の記事へのアクセスは1,153件。
全1,407アクセスの81.9%です。
アクセス数で重み付けした記事年齢の中央値は、
12.86年
でした。
つまり、数本だけ古い記事が混ざっていたわけではありません。
ChatGPT-Userが取得していた記事の中心そのものが、およそ13年前の記事だったのです。
実際、取得数上位には、
- 2011年のiPhone診断ログの記事
- 2013年の壊れたiPhoneを電源ボタンやホームボタンなしで使う記事
- 2013年の神戸三宮Appleショップ訪問記事
- 2014年のPS4セットアップやリモートプレイのトラブル記事 PS4セットアップ / PS4リモートプレイのトラブル
といったものが並びました。
2026年の最新記事だけを取りに来ているわけではありませんでした。
では「AIは古い記事が好き」なのか?
ここで一度、私たちの仮説は崩れました。
donpy.netには公開記事が4,663本あります。
その年代構成を調べると、

全記事の96.6%が10年以上前の記事
だったのです。
古いw
圧倒的に古いブログでした。
ChatGPT-Userの10年以上前の記事取得率は82.5%。
つまり母集団の96.6%より低い。
したがって、
「AIはdonpy.netの中から特別に古い記事を選んでいる」
とは言えません。
これは今回の調査で、きちんと否定された仮説です。
ところが「人間の検索」と比較すると違う景色が見えました
次に、同じ29日間について、Googleなどの検索エンジン経由で人間が到達した記事と比較しました。
10年以上前の記事への到達率は、
ChatGPT-User:82.5%
人間の検索流入:66.4%
でした。
さらに統計的に比較すると、
10年以上前の記事を取得するオッズは、ChatGPT-Userが検索流入の2.40倍
95%信頼区間は2.01〜2.86でした。
ここには明確な差がありました。
つまり今回観測されたのは、
AIが古い記事を特別に好んでいる
という現象ではありません。
そうではなく、
人間が検索エンジンから到達している記事よりも、ChatGPT-Userは古い記事層まで深く到達している
という現象でした。
これは今回の調査で得られた、かなり重要な結果です。
ではChatGPTは、昔の「一次体験」を読みに来ているのか
もう一つ調べたかったことがあります。
古い記事なら何でもいいのでしょうか。
そこでChatGPT-Userが取得した268記事について、WordPressの原文まで戻り、本文を一つずつ確認しました。
判定したのは、
「この記事には、書いた本人が現実に経験したことが具体的に残っているか」
です。
たとえば、
実際にiPhoneを使った。
設定を試した。
故障した。
速度を測った。
店へ行った。
商品を買った。
ゲームをプレイした。
失敗して解決した。
そうした記録です。
全文監査の結果、

一次体験あり:1,263アクセス/1,407アクセス
89.8%
となりました。
「部分的に一次体験を含む」111アクセスは、この数字には入れていません。
厳しく「あり」と判定したものだけで約9割です。
では「AIは一次体験が好き」なのか?
ここでも、結論を急ぐことはできません。
そもそもdonpy.net自体に一次体験の記事が多ければ、AIが取得した記事に一次体験が多いのは当然だからです。
そこで全公開記事4,663本とAI取得記事の両方に、まったく同じ機械判定基準を適用しました。
「買いました」「使ってみました」「行ってきました」「試しました」「実測」「検証しました」など、明示的な一次体験表現が本文に存在するかを調べました。
結果は、
donpy.net全体:27.7%
ChatGPT-User取得記事:32.2%
AI側が少し高くなりました。
しかしAIに取得されるオッズ比は1.26倍、95%信頼区間は0.96〜1.64。
統計的に明確な差とは言えません。
したがって今回の調査だけから、
「AIは人間の一次体験を選択的に好んでいる」
とは結論できません。
これは大事なので、はっきり書いておきます。
それでも、分かったことがあります
最初の仮説は、
検索では寿命を終えたように見える個人ブログの記事が、AIによって再利用され始めているのではないか?
というものでした。
29日間の調査を終えた現在、私はこれを少し書き換えます。
検索からの到達が相対的に新しい記事へ移っていく一方で、ChatGPT-Userは10年以上前の記事にも現在進行形でアクセスしている。
そしてdonpy.netでは、その取得記事の大部分に、当時の人間による使用・失敗・検証・訪問・プレイなどの一次体験が残されていた。
ここまでは、今回のデータから確認できました。
ChatGPT-Userが取得した本文が、実際のChatGPTの回答に使われたかどうかは分かりません。
どんな質問によって取得されたのかも分かりません。
一つのアクセスが何人のユーザーに対応するのかも分かりません。
ですから、
「ChatGPTがこの記事を回答に使った」
とは言いません。
確認できたのは、
ChatGPT-Userが、そのURLの記事本文を取得した。
そこまでです。
古い記事は、本当に「死んだ記事」なのか
今回の調査で、個人ブログを運営するうえで一番考えさせられたのはここでした。
これまで古い記事は、
公開する → 検索される → 情報が古くなる → 検索流入が減る → 読まれなくなる
という寿命をたどるものだと考えがちでした。
ところがAIが情報取得経路に加わると、
公開する → 検索される → 長期間保存される → 十数年後にAIが必要に応じて取得する
という別の経路が生まれる可能性があります。
今回donpy.netでは、その一端をサーバーの生アクセスログから実際に観測しました。
つまり、
個人ブログの記事には、「検索順位とは別の寿命」が存在する可能性がある。
ということです。
だから、過去記事を現在で上書きしない
これは「昔の記事は絶対にリライトするな」という話ではありません。
間違いは訂正できます。
リンク切れも直せます。
現在の情報を追記することもできます。
2026年版の記事を新しく書き、昔の記事から案内することもできます。
しかし、
2011年の記事を2026年の情報に全面的に書き換えてしまったら、2011年の記録は消えます。
2026年の記事は今日書けます。
でも、
2011年にiPhoneを触った人が、そのとき何を見て、何に驚き、何に困り、何を試したのか。
それは2011年にしか作れません。
そして2026年、その2011年の記事をChatGPT-Userが実際に取得していました。
だから今回の調査から、ブログ運営について一つだけ原則を残すなら、私はこれを選びます。
更新していい。 でも、過去を更新してはいけない。
これはSEOの話ではありません。
AI対策の話でもありません。
記録を未来へ渡す方法の話です。
調査を終えて
今回の調査は、
「XServerのアクセス数、なんか多くない?」
という小さな違和感から始まりました。
そこから116万行のアクセスログを掘り、偽装botを除外し、ChatGPT-Userのアクセスを抽出し、268記事を特定し、WordPress原本へ戻って本文を調べ、さらにブログ全体と人間の検索流入まで比較しました。
途中で仮説も二つ否定されました。
AIは古い記事を特別に好むわけではなかった。
AIが一次体験を選択的に好むとも、今回のデータだけでは証明できなかった。
それでも最後に残ったものがあります。
検索されなくなった記事は、死んだ記事とは限らない。
2009年から積み上げられた個人の記録を、2026年になって人間とは違う情報取得経路が掘り返している。
そのことだけでも、個人ブログを残す意味を少し違った角度から考えられるのではないでしょうか。
そして、昔このブログに残された言葉を借りるなら――
「誰得?はい、俺得です。」
十数年後のアクセスログを見る限り、
どうやら、俺得だけではなかったようです。










