AI に FF11「ズヴァール城」の地図を作らせたら、存在しない城を2つ建てられた

2026/09/09AI

今から4か月ほど前、数年ぶりに『FINAL FANTASY XI』へログインしました。久しぶりのヴァナ・ディールです。

昔よく通った場所を歩くだけでも懐かしいのですが、今回は現役当時にはあまり触れていなかった「過去世界」をあちこち探索していました。その途中で、ひとつ気になる場所が出てきました。

ラスボスの闇王がいる、あのズヴァール城。そのズヴァール城には、過去世界版の「ズヴァール城〔S〕」も存在します。そりゃ、奥まで行ってみたくなるじゃないですか。できれば最深部の王の間〔S〕まで行ってみたい。

ところがズヴァール城は、ただ歩いていれば到着できるような場所ではありません。複数のマップに分かれていて、途中にはワープを使って進む区画もあります。

数年ぶりの復帰者には、なかなか厳しい。入口まで来たとき軽い絶望感ありました。

「な、なんも覚えてない・・」

そこで私はChatGPTに、ズヴァール城内郭〔S〕から王の間〔S〕までのルートを示したマップを作ってもらうことにしました。

ChatGPTが立派な攻略マップを作ってくれた

ChatGPTにお願いすると、すぐに攻略マップを作ってくれました。

それがこちらです。

その日の私は、ちゃんとXにつぶやいていた

当時のXを探してみると、マップを受け取った直後の投稿が残っていました。

最初は「マップ付き図解までしてくれました!!!!!!すごい!!!」と素直に驚いています。ところが、その投稿の最後には、すでに違和感も残していました。

「え?こんなんやっけ、」

感動から疑惑へ移るまで、わずか一投稿でしたw いやー、立派です。

ズヴァール城内郭〔S〕の入口から王の間まで、赤い線でルートが描かれています。中央大広間、上層通路、松明の間、王の回廊。なんだか、それっぽい名前まで並んでいます。

初めて見る人なら、そのまま信じてしまうのではないでしょうか。ええ。まったくのウソです。ウソマップです。

ただ、私は現在のズヴァール城なら何度も歩いています。細かな道順までは忘れていても、少なくともこんな形ではなかったことくらいは分かりました。

そこでChatGPTに伝えました。

マップの形状がまったくオリジナルと違うと思います。

するとChatGPTは間違いを認め、もう一度マップを作り直してくれました。

こちらです。

なんやねんこれww また違う城やないか!しかも、最初に作った城とも形がぜんぜん違うやないかい。しかも、1枚目と2枚目を見比べてみると、とても同じ場所を描いたものには見えません。

そうか、ChatGPTはマップを修正したんじゃない、

ズヴァール城をもう一度、最初から新築していました。

しかも前回とは違う設計でw

もう一度言っておきます。こんなもんは FF11 にはありません。まるっきり捏造、ウソ八百です。

嘘ばっかりついて、もうええわ。AI 使えん!

ChatGPTには伝えませんでしたが、内心ではこう思っていました。

嘘ばっかりついて、もうええわ。
違う質問しよう。

私はAIを研究したかったわけではありません。ただ、ズヴァール城〔S〕の奥へ行きたかっただけです。何度頼んでも存在しないマップを作るのですから、マップ作成はもう諦めようと思いました。

じゃあ、地図ではなく攻略方法を聞けばいい。

ワープの間をどうやって突破するのか。ズヴァール城内郭〔S〕をどう進めばいいのか。攻略そのものを教えてもらえば、ボス前までたどり着けるかもしれません。ちょっと違った視点で再度 AI に尋ねてみます。

地図だけでなく攻略方法まで嘘だった

今度はChatGPTに、ワープの間の突破方法を質問しました。

すると、ワープ装置を調べれば「上の階へ」「下の階へ」「外へ戻る」といった選択肢が表示されると説明してくれました。

そして闇王へ向かう場合は、

「上の階へ」を選び続けます。

とのこと。なるほど、そういう仕掛けなのか。

……と思うじゃないですか。

そんな選択肢あるわけないだろwwwww そういうゲームじゃないんだわ。

地図を正しく描けなかっただけではありません。

存在しない城を2つ建てたうえに、その城専用のワープシステムまで実装していました(妙なところで仕事が細かいけどそんなもんいらんわ)。

このころの私は、AIが知らないことをどのように答えるのか、まったく知らなかったです。

AIに聞けば、知っている範囲で答えてくれる。知らなければ、分からないと言う。間違いを指摘すれば、今度は正しいものに直してくれる。

そういう認識だったように思います。

ところが実際には、AIは知らない部分があっても回答を作れます。地図を頼めば、それらしい地図を作る。攻略方法を聞けば、それらしい仕組みを説明する。見た目も文章も立派なので、内容を知らない人には、それが想像で補われたものだと分かりません。

まさに今回のウソマップはそんな感じで生成されたのでした。

結局、自分でズヴァール城を踏破した

で、そのときの私はどうしたかというと、AIがウソマップばかり出すので、もうブチ切れてマップ作成はいったん諦めました。その後は実際の攻略情報を調べながら、自分で城を進むことにしました。

もうただただ、迷いながら前進しました。結果的に言うと、なんとか目的地の王の間[S] にたどり着くことができました。

つまり、AIに頼んだマップ作成は失敗しましたが、ゲームの攻略そのものは終わっています。

存在しない城を2つ見せられたあと、私は本物のズヴァール城を自分の足で歩いたわけです。

このときは、それで話は終わっていました。(もう攻略で AI 使ってもダメだねとか思ってました)

それからAIとみっちり過ごした1か月

それから数か月がたちました。

最近になって私はブログを本格的に再開し、ここ1か月ほど、毎日のようにAIとやり取りするようになりました。

記事について話したり、過去ログを整理したり、ニュースを調べたり、画像を確認させたり、ブログの不具合を一緒に調査したり。

もちろんうまくいかないことも多々ありました。読んでもない記事の内容を適当に言ってみたり、こちらの意図と全く違うもの作ってきたり、同じミスするたびにルールを作るんだけど毎回一定期間たったら忘れてまた教えたり・・。どういう仕組みでこうなるんだ?とまさに試行錯誤でした。

で、毎日のようにAIを使っているうちに、少しずつ分かってきたことがありました。

・AIに完成品を丸ごと頼めば、正解が出てくるわけではない。
・元になる資料を先に見つける。
・その資料を実際に読ませる。
・複数の情報を照らし合わせる。
・確認できたものと、AIが考えたものを分ける。

こんな感じで、AIが得意なところだけを任せて使ってみるとうまくいくことが増えました。

4か月前にはまったく分かっていなかった、AI の動かし方が少しずつ見えてきた気がしました。

もしかして、今ならできるんじゃないか?

なんか今日ふと、4か月前のズヴァール城ウソマップ事件を思い出しました。

あのときは、いきなりAIにマップを作らせました。AIがズヴァール城の形を正確に知っているかどうかも確認せず、地形もルートも全部まとめて任せています。

では先に、実際のマップを探させたらどうなるのか。実在する攻略サイトのマップを確認させ、その地図は描き直さず、攻略ルートだけを書き加えさせたらどうなるのか。

もしかして、今ならうまくいくんじゃないか?

そこで私は、4か月前に失敗したマップ作成をもう一度試してみることにしました。ただし、今度はいきなり「マップを作って」とは頼みませんでした。

ズヴァール城内郭のマップを各情報サイトで調べて下さい。ありますか?

まず、本物のマップが存在するかを調べてもらいました。

AI の想像力を封印する

すると AI は検索を始めて、FFXIの実際のマップを掲載しているサイトを見つけてきました。

さらに、ズヴァール城内郭〔S〕を実際に進んだ人の攻略記事も見つけてきました。そこで複数の情報を照合しながら、どのマップから入り、どこを歩き、どの地点でワープし、どのように王の間〔S〕へ向かうのかを確認していきました。

そして今回は、AIに地形そのものを描き直させませんでした。

実在するマップをそのまま使い、その上に攻略ルートだけを重ねてもらいました。

完成したものがこちらです。

赤線は徒歩。緑線はワープ。青い点はワープを起動する地点。難所となるMAP3では、ワープを4回使用します。MAP4には、王の間〔S〕へ向かう出口までのルートも示されています。

4か月前の2枚とは、見た目だけでなく、作り方そのものが違います。

前回は、AIの中にある知識だけで城全体を作らせました。
今回は、先に本物の地図と攻略情報を探させ、それを確認してから編集させています。

前回のAIは、存在しないズヴァール城を建てました。
今回のAIには、そもそも城を建てさせていません。

FF11を知っている人が見たらわかると思いますが、ほぼほぼ正解ルートです。この地図は攻略に「使えます」。そして、この地図こそがまさに4か月前の私が欲しかったものでした。

AIが進化したのか、私が使い方を覚えたのか

最初の失敗から約4か月たっています。その間にAI自体も進化していると思います。検索する力も、画像を扱う力も、4か月前とは違っているのかもしれません。

ただ、今回うまくいった一番の理由は、それだけではなさそうです。

4か月前、AIはズヴァール城の正しい地形を知りませんでした。そして私は、AIの使い方を知りませんでした。

だから私は、

ズヴァール城のマップを作って。

とだけ頼みました。それで十分な答えが返ってくると思っていたからです。AI はすごいんだからそれくらいやってくれるだろうと思ってました。

ところが実際、AIは、知らない部分を想像で埋めながら、非常に立派なウソマップを作りました。

多くの方はこういう経験から「AIウソばっかしつくからダメ。使えねぇ」ってなるんだろうなと思いました。

ただ、今回も、AI がズヴァール城の全構造を突然覚えたわけではないんですよね。何が変わったって?

ええ。こちらの頼み方です。

実在するマップを探して。
実際の攻略情報と照合して。
元の地形は変えず、その上にルートを示して。

ここ1か月、AI とみっちり過ごした結果、なんとなく AI を動かすにあたってこちらが先に宣言しとくべきことがあるということに気づきました。

「もしかして、こういう質問をすればうまくいくのかな?」

と思えるようになりました。その結果が、今回の攻略地図です。

AI もあくまで道具。やはり「使い方」が大事

私は AI を本格的に使い始めてまだ1か月ちょっとの初心者です。なので AI の本当のところはよくわかっていません。ちゃんとした教育も受けていないので基礎すらありません、すべて独学です。

なので、何もえらそうなことは言えないのですが、気づいたことはいくつかあります。

よく「AIは使い方次第」と言われますが、4か月前の私がその言葉を聞いても、あまりピンと来なかったと思います。

質問の文章を長く書けばいいのか。
特別な命令文を覚えればいいのか。
いわゆる「プロンプト」を上手に書ける人だけが、AIを使いこなせるのか。

今回の経験で私が感じたのは、そういうこととは少し違いました。大切だったのは、AIへの言い回しを工夫することよりも、

何をAIに任せて、何を任せないか。

でした。

・知らない地形を描かせない。
・実在する資料を先に探させる。
・資料同士を照合させる。
・正しい地図はそのまま使い、その上へルートをまとめてもらう。
・そして最後は、自分の経験で確かめる。

4か月前の私は、完成品を全部AIに作らせようとしていました。

今の私は、AIを動かす前に、何を根拠にするのかを自然と気にするようになったと思います。

AI なんだから知らないことは勝手に検索して調べてくるだろうというのは AI を全知全能の神と期待しすぎなのであって、勝手な憶測でもの言い出すことも多々あるということなのですよね。ただ暴走させてるだけなのは自分っていうね(笑)

だからこそ、先にこちらがやってほしいことは言うし、やってほしくないことも言う。これが AI に対する作法なんだろうと思いました。

これからもっと AI が進化していけば・・・いや、もしかしたら今回の Astra だとなんの作法もなくいきなり地図作ってくれるのかもしれませんけどね(汗)まあ、その時その時の使う AI モデルに対しての作法はその都度たくさん対話をして体で覚えていくのがいいんじゃないかと思いました。

結果だけを見れば、4か月前の AI はウソマップを作り、今の AI は正しいルート図を作ったように見えます。

しかし、その間に変わったのはAIだけではありません。

こんな私でも、AIの使い方を少し覚えられたかな?って話でした。

ではまた。

参考にした情報

AI

Posted by donpyxxx