NTTドコモはiPhoneを提供しないそうです。その宣言は何を意味するのか。

2016/09/25

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skitchB9kRQW Photo by donpy

NTTドコモ:「iPhoneの提供は考えていない」

(via 気になる、記になる…)

docomoは「iPhoneを発売する予定はない」と株主総会で断言 – ケータイ Watch

(via iPhone 研究室(iPadもね))

ケータイ Wath:NTTドコモ第20回 定時株主総会」で、iPhoneを発売する予定はないとコメント

(via MACお宝鑑定団 blog(羅針盤))

NTTドコモ, 株主総会で「iPhoneを発売する予定はない」と明言

(via ringo-sanco)

ドコモ「iPhoneの提供は考えていない」

(via ギズモード・ジャパン)

ドコモには、約5000万人のiモード利用者がいるが、おサイフケータイ、iチャネル、iコンシェルといった機能をスマートフォンでも利用したいというユーザーが多い。ドコモにとって、いかにこれを広げていくかが大事である。しかしアップルの場合は、この機能を加えることができない。一方で、Androidを搭載したスマートフォンは、既存のiモードサービスを乗せることができる。5000万人のiモードユーザーが、気持ちよくスマートフォンを使っていただくために、ドコモはAndroidをベースにやっていく

結局iPhoneという端末と自社のかつてから行ってきたサービスを計りにかけてみたら自社サービスが勝ったというお話なんですが、確かにこれまでインターネットが始まり、ケータイでインターネットを普及させた最大の立役者でもあるiモードを否定せずに運営していきたい気持ちはわかります。

しかし、今時iモードになんの未練があるのだろうと普通に思ったりします。もしかすると実はドコモにとっても未練はないのかもしれないのですが、抱えるユーザーの数をドコモの責任と考えると簡単には言えない状況にあるんだと思います。そうであったとしても、これからもネットというものを独自の箱庭サービスで提供することがドコモさんにとっては生きる道ということなんでしょうか?

しかも、iモードサービスを載せることができるAndroidをベースにやっていくとあるんですが、スマートフォンを提供する限り結局iモードなんてのは結局排他的な存在だと思うんですよねぇ。それを共存させていく光明でもあるのなら話は別ですが。

それにしても「5000万人使っているからこのサービスを広げていくことが大事」とあるんですが、もう広がるなんてことはないと思うのは私だけなのでしょうか?サービスを維持するというならわかりますが。こんな2世代も3世代も遅れたサービスでこれから広げていけると思っているドコモの考えるネットって何なんでしょうね。逆に徐々に縮小していくという宣言がそろそろあってもいいのではとすら思ったりします。

結局キャリアはこれまでの歴史を考えるに、これから未来、キャリア自身が提供しているサービスに固執すればするほどこれから本格化するクラウドを中心としたネットソリューションに対して死んでもくらいついていくか、単なる土管屋になるのかの選択を迫られているということに他ならないのではないでしょうか?

ソフトバンクのようにiPhoneをはじめとするスマートフォン市場でなんとかやっていこうとすれば最終的にはテザリングを認めざるをえなくなってきます。それはまさしくキャリアの土管化を認める形です。それで企業としてどう利益を確保するかと言えば、今まさにそのまっただ中にいるわけです。だからこそソフトバンクもドコモに対してiPhoneを絶対に渡したくないわけなんですが、これまた機種のキャリア縛りということで、これも今後の流れを考えるといつかその防波堤もいつまで耐えられるだろうと。ドコモがやろうとしているシムフリー化とは逆行しています。そんな狭間にiPhoneはいる。そんなところでしょうか?

逆にiPhoneが出ないことが重要なのではなく、iモードにそこまでこだわるところに何か違和感を感じます。

過去の遺影と現在のユーザーもろとも心中してでも自社のサービスで囲い込んで利益を確保しなければ会社はやっていけないと考えたドコモはもしかするとそれしか選択肢がなかったのかもしれません。

前向きに考えれば、ドコモが極秘内にこれからはじまるクラウドをアップルを凌駕するような驚くべきサービスとしてiモードを準備しているのかもしれません。それがなければドコモにこれから先SPモードの契約料だけで利益を生めるとは到底思えないわけで。あるいはシムフリー化を打ち出したドコモにとって、機種とキャリアが必ずしも結びつかなくていいと考えているのかも知れませんね。ドコモが発行するマイクロU-SIMがそれを物語っているような気すらします。

iモードのこれから、ガラケーとAndroidとの共存、シムフリー化、iPhoneを提供しない本当の理由。ドコモの真意は一体どこにあるのでしょうか?企業として「単なる意地」ということはまさかないでしょうし、それらをひとつに繋げる秘策でもあるのでしょうか?いずれにせよ今後の動向が非常に気になるところです。

かと言って、ソフトバンクがよいというわけではありません。相変わらずiPhoneをキャリア独占したい気持ちは見え見えですし、テザリングも解放しない、シムフリー化もしない。

結局携帯業界において世界的な競争力がつかないのは大手キャリア3社が国内マーケットで醜いユーザー囲い込みを繰り返していることが原因にあると思います。料金プランを見てもありえないほど複雑でわかりにくいですよね。そこに潜む2年縛りなど本当に正しい競争なのかと思えたりします。正直国内で争いあうよりも、共存共栄、一日も早く、テザリング、シムフリー化、キャリアとメーカーの完全な分離を図るべきなのではないでしょうか?(簡単なことではないのでしょうけども)

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