友人の「 iPhone 紛失から発見に至る一部始終 」を目の当たりにした @donpy 的完全ドキュメント。

『確かに酔っていたね。そりゃしょうがないわな。
じゃあ、探してみようか。

だって iPhone は「 iPhone を探す」という最強の機能があるじゃないか。』

Find My iPhone 1.4
容量 :7.6 MB
リリース日 : 2010/06/18
カテゴリ : ユーティリティ
価格 : 無料
販売元: Apple
AppStoreでの評価 : 4
AppStoreでチェック → Find My iPhone

・・・。これが反応しないんだ。これが反応しないときの絶望感はその場にいなければ感じることのできないものだ。

iCUG #18 前夜、竹蔵のオフ会でしこたま呑んで、なんとか自宅にたどり着きそのまま泥のように睡眠をむさぼった翌朝、案外すっきりとした目覚めの後、 @goryugo (当時32歳)はシラフになったときはじめて「 やっぱり iPhone がない 」と告白した。いや、正確には前夜寝る前にも「 iPhone がないかもしれない 」とは言っていたが、それほどお互い呑んでいたので翌朝寝れば見つかるだろう。それくらいの気持ちで就寝したのであった。

何にしても、iPhone はなくなっていた。

不思議と @gouryugo (当時32歳)はあわてふためくという様子はなかった。ひたすら「なんで iPhone がないんだ。」と呪文のように繰り返していたことを今でも鮮明に覚えている。ああ冷静にいたいものだ。

そんな @goryugo (当時32歳)を見ながら私は今年の2月、私自身が iPhone を紛失したときのことをふと思い出しながら一緒に探そうとしていたところだったのである。

絶望から始まる iPhone 探しの旅

私が iPhone をなくしたときと、今回の @goryugo (当時32歳)が iPhone をなくしたとき、ひとつの大きな違いがあった。

かつて私が指摘した「 iPhone は 3G回線 / モバイル通信 をオフにするとなくしたとき大変になる。」という主旨のエントリーを読んで頂ければお分かりになるだろうが、今回まさに彼はその状況におかれたために iPhone の重要な機能である、「 iPhone を探す」アプリが使い物にならなかったのだ。

◇ iPhone を紛失する ”前” に読むエントリー〜 私が iPhone をなくして感じたこと(前編) | 覚醒する @CDiP

◇ iPhone を紛失した ”その時” に読むエントリー。〜 私が iPhone をなくして感じたこと(後編) | 覚醒する @CDiP

このエントリー内でも何度も指摘しているが、 iPhone からモバイルデータ通信をオフに彼はしていた。彼のもつ MacBook Air から iCloud 経由で iPhone を探索してみるも現在位置はわからない。

仕方なく、iPhone を探す機能の中で

・リモートロック
・Wi-Fiからの回線復帰時にメール通知させる設定を ON に。

この2つの対策だけは講じた。そんな絶望から今回の iPhone 探しの旅は始まったのだ。

移動せずして iPhone を探す手段

まず、「 iPhone を探す」機能が使い物にならない状況で、まずは移動せずに iPhone を探す手段を試みた。幸い @goryugo (当時若干32歳)は、「モバイル通信」は OFF にしていたが、「3G」は ON にしていた。つまり MMS や LINE は使えないが、電話や SMS は利用できる状態だった。

そんな状況で、以下の手段を試みた。

・電話をかける
・SMS を送る

それに加えて、常時位置情報を Google に登録する「Google Latitude」のデータも参照したが、2ヶ月ほど前からデータ送信は止まっていて、昨日の紛失した瞬間の位置がわからない。

Google Latitude 2.2.1
容量 :11.6 MB
リリース日 : 2010/12/08
カテゴリ : ソーシャルネットワーキング
価格 : 無料
販売元: Google, Inc.
AppStoreでの評価 : 3
AppStoreでチェック → Google Latitude

もしかすると、これが常時 ON になっていれば、どこで忘れ、どこから自分が持っていないことになっているかが特定できるかもしれず、これは有効な手段だなと思ったが、知らずにその機能が OFF になっている 若干32歳 に対しておまえは何をしているんだと問いたかったので問うた。その理由については巻末のリンク集から参照していただければと思っている。

その他写真が iCloud のフォトストリームに蓄積されていてそこからの写真で推定するという方法もあったらしいが、昨日の移動は呑んでいた「竹蔵」から「家」までの道のりで途中ローソンに寄ったくらいで、その道のりをタクシーで移動した。これだけなのだ。そんな状況で写真など撮っているわけがない。

今回はなんのヒントも得られなかった。

帰路に沿って iPhone を探す

実際なくしてみるとわかることだが、「うわーなくなってしまった、どうしよう」という感情はどんな思考にも関わってくる。つまり完全に冷静な状態などありえない。当時緑だった彼は、割と冷静な方ではあったが、ある程度の動揺はもちろんあったと考えられる。

そこでふたりで考えたのはひとつひとつ確実に言えることを書きだしたことだった。

・竹蔵にはない(連絡したが何の報告もなかった)
・家にはない( Wi-Fi が反応していない)

このふたつは確実に言えることなので、可能性は2つ。つまり、うっかりどこかでポケットから落としたということさえなければ

・ローソンのレジに置き忘れた
・タクシーに置き忘れた

のいずれかの理由でなくなっているはずだと結論に至った。紛失したときはこういうことがすぐに考えられない精神状態になるんだなということがよく分かった。とにかく彼に連絡を取る手段がないので、私はタクシー会社に連絡をし、ローソンに向かって車を走らせた。

結果はこうだ。

タクシー会社に昨晩迎車でタクシーを呼び、竹蔵から自宅まで乗ったと言うと、即座に乗車履歴を参照して下さり、「その車から携帯の落とし物の報告はない」と言われた。しかし即座に「ですが、、、、」とタクシー会社の事務の方は続けた。

「ですが、何ですか??」

何か情報が得られると思い、聞いてみると、、

「あったのはビニール傘の忘れ物だけでした!」

その情報は切り捨てるべきだと思った。しかし、「後からよく探してみます。もしあれば連絡致します。」と心強い言葉は頂けた。

********************

あとの可能性はローソンでの落とし物がないかということだったのだが、ここでも「落とし物はないですね」と。もし店内に iPhone がどこかにあるとすれば 当時32歳の紛失王 の Wi-Fiルーターが反応しているはずだ。彼のなくしたエントリーにもあるが、実際彼はそのとき

「もしこの店に iPhone が眠っているならこのドラゴンレーダーが反応するはず!」

意外と彼はふざけていたのかもしれない。さすが 32歳。ちなみに彼は私の 10 下である。もちろんその自慢のドラゴンレーダーの出番はまったくなかったのである。捜索は振り出しに戻った。

そう言えば新サービスあるやん

さらなる絶望の淵で、われわれは自宅に帰ってきた。

彼から発せられる言葉は「タクシーが怪しいんだよな。」と「なんで iPhone がないんだ。」ばかりであった。だけど、この「なんでないんだ」という気持ちは大事だと思った。

しかしながらそのうちに

「もう iPhone 5 でいっか。」とか諦めムードも漂い始めていた。
「そういえば、去年も iPhone 4S 出る寸前に @donpy さん宅に泊めてもらったら SIM が壊れたんだよな。ここには何かあるよな。」

もうほとんど言いがかりである。オレの32歳の夏もこんなんだったんだろうなと思った。

朝からの探索作業にも飽き始め、昼過ぎようとしてもまだ胃袋には何も入っていないのが問題だったのかもしれない。こういうときこそまず食え、飲めである。

そんなことよりも、私も日々、iPhone 周辺の情報を集める趣味を持っていて日々発信を続けている一人だ。ただ、つい最近始まったサービスで確か iPhone 向けの探索サービスが始まったというニュースを見たような見なかったような。そんな感じで心に引っかかっていた。再度 Google Reader を読み直してみると、

「紛失ケータイ捜索サービス」の内容を教えてください。 | ソフトバンクモバイル

◇ 「紛失ケータイ捜索サービス」の内容を教えてください。 | ソフトバンクモバイル

そうだ。そういうサービスがあったんだ!しかもこのサービスのスゴイところは

・iPhone を紛失してからサービス開始できる

ところにあると言っても過言ではない。保険というのは事が起こる前にかけておくものだが、正確にはこれは保険ではなく単なるサービスである。しかし、なくしてから PC などから MySoftbank にアクセスして 「iPhone 基本パック」に入るだけで、探索サービスを受けることができる。

これで大体の場所が把握できるはずだ。実際は色々中途半端な面もあると 去年31歳、来年33歳の @goryugo がぼやいてもいるわけだが、詳しくは巻末のリンクから読んでみて欲しい。

結果、衝撃の事実を知ることになるわけだが。

サービスの加入した上で、ソフトバンクカスタマーセンターに問い合わせをし、本人確認を行った後、一度だけ本体の位置情報を口頭で、「住所」を教えてもらえるサービスだった。

そこで伝えられた住所はなんと、昨日の移動ルートから遙か 10km 離れた場所だった。

そこで探索チームの行き着いた結論は以下の通りだ。

・どこかで iPhone を拾い、自宅に持ち帰った。
・実はタクシーのわかりにくい場所に iPhone を落とし、そのまま発見されず賃走している

ついに発見される

もう待つしかなかった。だれかに持ち去られていたならばもう見つかる可能性はゼロに近かったのかもしれない。しかし、2日後、タクシー会社からの連絡があり、後部シートのわかりにくい場所に挟まった状態で見つかったとの連絡があった。

結局 @goryugo (当時若干32歳・緑・タオル)は、タクシーに iPhone を忘れていたということになる。

考えてみてほしい。ヘビーなユーザーほど Wi-Fi ルーター等の複数の通信手段を持っている。それは同時に持ち歩く PC / Mac だとか、 iPad を有効に利用するために非常に便利な手段だと思う。

私も一時、パケットゼロ運用で、月々の通信費を安くすることに目が行っていた時期もあったが、自分が一度なくしたときはたまたま「モバイル通信」を ON にしていた。そのおかげで落として1時間で所在はわかったのだ。

今回のケースにしても、もし「モバイル通信」を ON にしていさえすれば、「ないかもしれない」段階で見つかっていただろうし、翌日の色々な手順もなかった。みなに共通することは「おれはなくさないから大丈夫」という根拠のない自信から来るものである。ある意味「事故」に対する考え方そのものと言ってもいいのではないだろうか?なくしても買い直せばいいから、という考え方は危険だと思う。モバイル端末は常に自分だけではない個人情報が含まれている。それを落とすと言うことは最悪他人に迷惑を掛ける結末が待っているかもしれない。

便利を追い求めるばかりに一番大事なところにお金をかけないというのは非常に大きなリスクを伴う。

どうぞその点についてユーザーのみなさんの再考をお願いしたいと思う。

最後に2月に私が iPhone をなくして見つかった際に書いた、「リスク」について引用しておこうと思う。ほぼ今の思うところは自分の中では変わりがないということを今一度強調してこのたびの一連の事件の報告のくくりとさせて頂く。

◆ 「モバイル通信」を「オフ」にするリスクについて

「モバイル通信をオフ」に設定した場合、ポータブル Wi-Fiルーターと iPhone が離ればなれになったとすれば、iPhone は途端にデータ通信ができなくなります。「オン」にしていれば、Wi-Fi環境がない場合は自動的に iPhone は 3G回線経由でデータ通信を保持します。そこで無駄なパケット通信を遮断するためにこの機能のオンオフが付いているのだと思われますが、iPhone 紛失の観点からすると非常にリスクの高い選択だと言わざるを得ません。

また、ルーターもろともなくしてしまったとするとそれはさらに悪い事態となっているはずです。ポータブル Wi-Fi ルーターを複数持っているならまだしも、ほとんどの方は一台で運用しているはずです。従って手元に電波環境がないということになり、例え他の iOS端末を持っていたとしてもその場で「iPhoneを探す」を実行できないわけです。そこでどこかの Wi-Fiスポットを利用することになるかと思いますが、手持ちの iPhone と同様の設定ではまず利用できないと思われます。このあたりの知識を十分持ち合わせた上での運用は必須ということになるのではないでしょうか?(私は Wi-Fiスポットに関してほとんど知識を持ち合わせていません)

私の場合はたまたまその時期、モバイル通信をオンにして基本的に Wi-Fi しか使わないよう運用してみてどれくらいの請求が来るのか実験中だったこともありまして助かりました。いざなくなってみてはじめて「モバイル通信をオフ」で運用する恐ろしさを痛感したところです。ましてや、3Gをオフにするなんてことは紛失に際して iPhone のせっかくのGPS機能を無にしてしまうことになります。

通信費節約と紛失時のリスクのトレードオフになりますので、現在の運用を今一度ご一考頂ければと思います。

@goryugo さんのエントリー

一連の紛失騒動のすべてがこちらに綴られております。ぜひご一読をお勧め致します。

◇ iPhoneを無くす前にできることと無くしたあとにできること | ごりゅご.com

◆ 【iPhone見つかりました】発見までにやったこといろいろ
(via ごりゅご.com ) [9] tips4

わからない なくしてわかる モバ通オフの恐さかな

ブログへのいいね!もそのノリで是非!

.